現地調査⑧ 奄美市へ⑴

   現地調査8、9箇所目。奄美市沖縄県南城市を訪れた。


   今回は遠方なので、家族旅行も兼ねることとし、シルバーウィークに合わせて、主人も同行した。奄美に入る前に、まず、鹿児島市に2泊した。


   初日は、夕方鹿児島入りし、黒豚のしゃぶしゃぶと芋焼酎を味わう。やはり、その土地のものは土地で食べる方が美味しい気がする。気候、風土、水、色々な要素があるのだろう。


   翌日は、バスで知覧を訪れた。伝統的建造物群保存地区武家屋敷跡へ。どの家も生垣が高く見事だ。


江戸時代、薩摩藩では、領地を113の地区に分け、麓と呼ばれる武家集落を作り、鹿児島市に武士団を集中させることなく分散して統治にあたらせたのだそうだ。7件の庭園が公開されている。大きな岩を用い、母ケ岳を借景にした枯山水式が多く、武家らしい力強さを感じる。


   また、知覧は特攻隊の出発基地としても有名な地。ちょうど今年の夏、特攻隊の母と呼ばれる、鳥濱トメさんを主人公とした舞台を見ていたので、是非訪れてみたかったのだ。


   トメさんの営んでいた軍指定食堂の「トミヤ食堂」を復元した資料館「ホタル館」へ。特攻隊員たちのエピソードや手紙が展示されていて、等身大の隊員たちの姿を見ることができる。特攻隊員の一人の残したメッセージの中に、将来肩で風を切って歩く日本人が自分の理想、残された国民たちは、この国をそのような国にして欲しい、という趣旨の言葉があった。また、晩年のトメさんは、若い人たちに、なぜ自分が生き残ったのか考えるように、何かしなければいけないことがあるから生き残ったのだ、と言っていたそうだ。そういう話を知ると、今の日本について考えさせられる。今の日本は、彼らから見て恥ずかしくない国になっているのだろうか?


   バスで、知覧特攻平和会館に向かう。ホタル館では、隊員たちの素顔が見えるような展示だったが、こちらでは、特攻そのものの知識を深めることができた。改めて、戦争は忘れてはならない記憶だと感じた。