大学院修了!

1年間の大学院生活を終え、ついに大学院を修了いたしました。



7〜9月のフィールドワークはとても楽しかったのですが、その結果を「学問的に」まとめる作業が一番大変でした。常に学問的な分析とは何か・・・?という問いと向き合っていた様な気がします。
行政の仕事は、まず妥当な落としどころを決めて、それから理由を考えるという順序で進むことが多く、現状分析がおろそかになりがちだという大きな問題があります。その点、この一年で、現状分析をしっかりする訓練ができたことは、本当に良い経験だったなと感じます。
また、色々な現場を見て、様々な人に出会えたことは、私の人生にとって大きな財産でした。
そして、自分の進むべき道を自分の足で歩めたという感覚。これは、何ものにも変え難い貴重な機会でした!!


そのような、大切なものを沢山与えてくれた学生生活。それだけで大満足だったのですが、最後に、プログラムの成績優秀者として表彰いただき、修了式に答辞を読むという、スペシャルな機会まで頂いてしまいました。


修了式当日は、4月から所属する部署の内示のため職場に行く必要もあり、本当にバタバタでした。
答辞を読むのは緊張しましたが、思いを素直に表現した結果、同級生、教授、沢山の方に好評のお言葉を頂きました。謝恩会では、来賓の方の中に、挨拶で私の答辞を褒めてくれた方もいらっしゃり。参列されていた同級生の奥さんも私の答辞を聞いて涙して頂いたようで。予想以上に皆さんの心に響いてくれたみたいで、本当に嬉しかったです。


リクエストを頂きましたので、その内容をこの場に掲載させていただきます。
 この一年間、支えて下さった皆様に心から感謝の気持ちです。本当にありがとうございました!!4月からからまた、頑張ります。


修士論文の概要は、こちら


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 本日は、私たち卒業生のために、このように盛大な式典を挙行していただき、学長先生をはじめ、諸先生方並びに職員の皆様に、心より感謝を申し上げます。
 日本全国から、政策研究という同じ目的のもとに集った、私たち卒業生が、ともに学び、本日、この良き日を迎えることができましたことを、大変嬉しく感じております。
 私は、文部科学省から、文化政策プログラムに派遣されております。私が、本学で学ぶことを志望いたしましたのは、自らが携わった政策を、学問的な視点から評価したい、専門となる政策分野を持ちたいと考えたためです。
 一年前の入学式、学長先生より「政策研究とは応用的な分野であるが、その基礎となる知を身につけることが最も大切である」というお言葉をいただきました。
 当時、派遣元では、震災への対応に多忙を極めており、入学前は、このような時期に職場を離れることに対し、戸惑いを感じたこともありました。しかし、今後のより良い政策立案のために「基礎となる知を身につける」ことこそが、今の自分の役割なのだと考え、一年間、研究に励んでまいりました。
 本学では、各政策分野のリーダーである先生方の授業を受けることができ、専門的かつグローバルな視点から、我が国の政策を見つめ直すことが出来ました。また、自分と異なる視点を持った、学生の意見や質問に、刺激を受けました。これらを通して、「いかに自分の視野が狭まっていたか」を痛感し、常に学び続け、視野を広げることの必要性を実感いたしました。
 私は、「自治体における文化財保護行政の在り方」を研究テーマとして選び、自らが立ち上げに携わった、事業のフォローアップを行いました。自らが携わった政策を学問的な視点から評価し、その実施効果や改善点を客観的に把握できたことは、得がたい経験でした。また、文化庁と連携しつつ、研究を進めたことで、調査結果をすみやかに政策に反映することもできました。なお、私にとって、論文の執筆が、最も困難な作業でした。調査結果から、いかに新しい知見を導き出すかに試行錯誤する中、道を照らし、研究の楽しさを教えて下さったのが、ご指導いただいた先生方でした。今後も研究を続け、常に、学問的視点から、政策を見つめ直すよう、努めてまいりたいと思います。
 最後に、学生生活について振り返りたいと思います。院生会の学生や職員の皆様のおかげで、学生主催の素晴らしいイベントが毎月のように開催され、大変充実した、学生生活を送ることができました。特に、昨年七月の「カルチャー・デイ」では、各国からの留学生が、それぞれの民族衣装に身を包み、伝統的なパフォーマンスを披露し、国境を越えて、本学が、そして世界がひとつになったのを感じた一日でした。日本全国、世界各国から集った、志の高い学生たちと知り合い、語り合ったことは、私の人生にとって、かけがえの無い財産となりました。
 私達は、卒業後、再び、それぞれの道を歩き始めます。震災以降、私達を取り巻く社会や、人々の価値観は大きく変化しています。そのような変化の時代の中、本学で学んだ「知」を十分に活かし、本学で得たつながりを大切にしながら、政策のプロフェッショナルとして、日本の、そして世界の、より良い未来の構築に努めていくことが、私達の使命だと考えております。私も、物事の本質を見極め、真に求められる政策を、行政・学問・現場をつなぎながら、進めることができるよう、日々努力を重ねて参りたいと思います。
 最後に、日頃から熱心にご指導くださいました諸先生方、私たちを支援してくださいました職員の皆様、励まし支えてくれた友人や家族、そして、このような機会を与えてくれた日本国政府に心より感謝するとともに、政策研究大学院大学の益々のご発展と、ご臨席の皆様のご健康、ご活躍をお祈り申し上げて、答辞といたします。


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