現地調査④ 小浜市・若狭町へ⑵
小浜・若狭2日目。午前中は、伝統的建造物群保存地区地区の熊川宿を歩く。
小浜市からバスで30分ほど。 国道から水路のある雰囲気のある小道が伸びており、小道を抜けると、そこには江戸時代の宿場町の町並みが広がっている。
宿場町なので、旧街道沿いに細長い町並みが続いている。鯖街道と呼ばれる道は多数あるが、ここの熊川宿を通る道もその一つ。琵琶湖へ出て船を使うルートだと、熊川で一泊するとちょうど良い距離であったらしい。
熊川宿は、昔は茅葺屋根で、風の通りが良いため、何度も大火に見舞われたらしい。このため、家にお金をかけるのではなく、街道沿いの母屋の奥に何軒蔵が建ったかで、その富を競ったそうだ。
松木神社へ。
小浜城の築城の際に上がった年貢が、領主が変わっても下がらなかったことに対して抗議を続け、自らの命と引き換えに年貢を下げることに成功した義民を祀る神社。当時の米倉の跡でもある。石段を登ると、緑色の苔に木々の間からの光が差し込み、神秘的な雰囲気。
大岩と呼ばれる大きな石が道の端にある。子供が登って遊んでも怪我をした者はいなかったことから、子守岩と呼ばれたそうだ。
また、民家のすぐ裏に、今も人々の厚い信仰を集める権現様というお宮がある。本当に、生活の中に信仰が根付いていると感じる。
再び、バスで小浜に戻り、午後から小浜市・若狭町の教育委員会の方にヒアリングに伺う。夜は夕食もご一緒させていただいた。
お話を伺って感じたのは、両市町とも、地域に住む人たちとの良いつながりができていること、これまでに歴史文化を生かしたまちづくりの積み重ねがあるということだ。そして、モデル事業の取り組みを具体化していくための具体的な道筋が求められていると強く感じた。真剣に事業に取り組まれているからこそ、その思いが伝わってきた。
小浜市・若狭町は、本当に多様、多層な歴史文化が集積しているところだ。この魅力を満喫するには、2泊ではとても足りなかったと反省。
皆さんに気さくに接していただき、楽しい時間を過ごすことができた。感謝。