現地調査③ 日の出町へ

 現地調査3箇所目。東京都日の出町を訪れた。


 青梅線五日市線を乗り継ぎ、終点の武蔵五日市駅まで。周りはリュックを背負った登山客ばかりである。バスで日の出町へ。待ち合わせまで時間があったため、少し町内の寺や神社などを歩いてみる。
 春日神社は、重要無形文化財民俗文化財に選定された鳳凰の舞が行われるところで、夏の神社の境内の雰囲気は、神秘的で格別な雰囲気があった。


 午後、教育委員会文化財担当の方からお話を伺う。韮崎市と同様少ない人数で頑張っておられる。専門的な人材の必要性を痛感する。


 お話を伺ったあと、町内を案内していただいた。この辺りは御岳道であり、御岳信仰をする人たちの宿場町であった。しかし、大火に見舞われ、宿場町の町並みや、古いお寺などは残っていない。ただ、祭りのときには、その面影を見ることができるという。
また、昔からの石積みがたくさん残っているそうで、言われてみるといたるところで目に入る。韮崎市も同様であるが、やはり、そういう「目」を持った人に案内してもらうと、地域が違って見えてくる。


 この辺りには、御岳信仰に関する民俗行事が多く残っている。ある旧家だけで行われている行事もあり、非常に興味深い。また、御岳神社から配られる犬の絵のついた護符は、この辺りの家の玄関に必ず貼られており、信仰が今も息づいているのを感じる。


 古い蔵が何軒もある旧家を見せていただいた。大きな木々に守られ、独特の雰囲気があるが、現在空き家だそうだ。そのお家は地域の人たちの心の拠り所でもあるそうで、なんとか取り壊されることなく活かして欲しいと感じた。


 山の中、水源を祀る神様の像も見せていただいたが、神聖な雰囲気があり、長年人々の信仰の対象になってきたのだと感じた。



 御岳道の入り口へも案内していただいた。


 山道の入り口にある旧家は、御岳信仰のとりまとめを行っていたという。この旧家もうまく活用して、伝統を引き継いでいければ良いなと思った。


 登山は、修験道と深く結びついている。山岳信仰の観点から、登山をやってみると非常に面白いのではないかと感じた。祭りの季節、また、登山の季節に訪れてみたい。