金継ぎワークショップ第2回

 今日は、金継ぎワークショップの第2回目でした。

 前回は、器の割れや欠けを漆で補うところまでを行いました。それらは、湿度の保たれた発泡スチロールの「室」の中で、ゆっくりと固まっていきました。
 今日は、余分な漆を削り取り、絵漆を塗って、金をまくところまでを行いました。


 まず、器の欠けた部分を埋めた漆の、余分な部分をカッターや彫刻刀で削り取っていきます。


 これがとても繊細な作業です。
 刃物を使っても器自体は意外に傷つかないのですが、削って行く過程で、せっかく間を埋めた漆が欠けてしまう、という失敗が起きます!実は、私もやってしまいました(^^;
 本来ならその欠けた部分にもう一度漆を塗り、間を埋めていくそうなのですが、今回は、回数も限られているので省略して次の作業へ。
 大体余分な漆が落ちたら、更に紙やすりで細かな部分を整えていきます。

 写真は、余分な漆を取り終わったたところ(写真ではわかりにくいですが、茶色く漆で埋めた部分の上の方がちょっと欠けてしまってます…(TT))。


 次に、蒔絵筆という細い筆で、漆で埋めた、吸着した部分に絵漆を塗ります(0.3�くらいはみ出すくらいが良いそうです)。
 この絵漆に金を吸着させるのです。
 この蒔絵筆、一番上等なものはネズミの背毛でできた、根朱筆(ねじふで)というものだそうなのですが、作り手の方は現在2名しかいらっしゃらないそうです。

 写真は、欠け、ヒビに沿って絵漆を塗ったところ。


 次は、いよいよ金粉をまきます。
 金粉を粉筒という道具に入れ、トントンと叩いて絵漆の線の上にまいていきます。
 金粉も、形によって丸粉、平目粉、梨地粉など、種類が色々あり、用途によって使い分けられるのだそうです。さらに、今回使ったのは丸粉ですが、大きさによって十数段階に分けられているそうですです。
(写真はご一緒に参加した陶芸家さんが作業されたものです)


 まかれた金は漆の中にすっと浸透していきます。上から重ねてまき、更に刷毛で周りの金粉をよせてかけていきます。
 最後に余分な粉を払って、今回の作業は終了です。



 前回に引き続き、漆の魅力に迫った1日でした。
 前回は、漆の性質に驚きの連続でしたが、今回は色々な道具が登場し、奈良時代からあったという技法の一端を見ることができ、とても興味深かったです。

 次回は、巻いた金を磨いて光らせるそうです。楽しみです!!