現地調査⑨ 南城市へ⑵

   今日は、午前中は安座間港からフェリーに乗って久高島へ。


   久高島は南北に細長く、島の北側は神の領域、集落は南端のわずかな所に集中している。琉球の祖神アマミキヨが初めて降り立った場所とされている。自転車に乗って島内を一周できる。


   いしき浜。五穀が入った壷が流れてきて、それから久高島、沖縄本島へと穀物が広まったとされる伝説の場所。アダンの木の生える白い砂浜の向こうに青く澄んだ海が広がっている。


  一気に島の反対側の先端まで走る。この辺りは、カベール岬と呼ばれ、草木層、低木層、亜高木層の三つの階層が認められる珍しい植生の広がる場所である。


琉球神話で、沖縄の祖神であるアマミキヨが初めて降り立ったと言われる場所。黒い岩場の向こうに青い海が広がり、美しい。この島が聖なる島と呼ばれるのがわかる気がする。


  その後、反対側に出て、港のある集落まで戻る。途中、沖縄でも最高の霊地であるクボー御嶽と呼ばれる霊場があるが、立ち入り禁止になっている。


   久高殿、外間殿、大里家など、集落の中の史跡を訪れてから、フェリーで本島へ戻る。


   糸数城跡を見る。


 その後、丘の上のカフェで昼ご飯。青い海が見渡せて絶景だ。


  午後は、教育委員会でのヒアリング。南城市では、地元の人たちは昔からの聖なる場を詳しく知っていて、それが指定文化財かどうかは気にせず、大切なものとして守っているというお話を伺った。これまでの自治体では、地域の人が指定されていない文化財を大事なものだと思っていないというお話を多数聞いていたので、信仰心の篤い地域とそうではないところでは、随分地域の歴史文化資源を取り巻く事情も違うのだと感じる。そのような背景や担当の方の熱心さもあって、南城市の計画は、他の自治体と比較して踏みこんだものとなっているのだと思う。担当の方は、基本構想を実現するために、志願して教育委員会から知事部局に異動されたのだそうだ。


  翌日案内していただけるというお話をいただいたが、休日だったのでさすがに辞退させていただいた。
  これまでなかなか南部に足を伸ばす機会が無かったが、信仰の息づく神秘的な土地の魅力にすっかりはまってしまった。